自分の肌に合った良いオイルを知りましょう
まずはじめに、オイルを手に入れるにあたって、知っておいた方がよいことがあります。オリーブオイル、スイートアーモンド油など、さまざまなオイルは、ヨーロッパではギリシャ、ローマの時代から、食用のほか、美容や医薬品として日常生活で使われてきました。今でも自然食品などで、上質な食用オイルを手に入れ、食べるだけでなく、マッサージやバスオイルなどとしてスキンケアに使い回し、トータルなボディケアをするという習慣を持つ人は、欧米では珍しくありません。
日本でも、食用のオリーブオイルをクレンジング剤として使っている方は多くいらっしゃると思いますが、日本では、法律上「化粧オイル」と「食用オイル」は、製造販売するときの認可制度の関係で、はっきりと別のものとして扱われています。
ある食用オイルをスキンケアに使ってみようと思ったとき、製造販売元に「このオイルで肌をお手入れしてもいいですか?」と問い合わせたとしましょう。たとえ実際には、そのオイルがスキンケアに効果の高いものであった場合でも、その製造販売元があくまでも「食用」として販売しているかぎり、「美容効果の高いオイルです。」といういことは顧客に対して言ってはいけない決まりになっているのです。
化粧用、食用の安全基準は別々に設定されていて、ある場合には、そうした区別がどうしても必要であり、消費者の立場からすると、納得できる面もあれば、線引をされて不便を感じる場合もあります。どちらにせよ、自分の判断と責任による食用オイルの「使い回し」は、買って使う私たちの自由ではありますが、今の法律上、メーカーから「使っても大丈夫」というお墨付きをもらうことはできないのだということは知っておいてください。
オイルを選んだり試したりするときに、手当たり次第ではなく、自分が具体的に何を求めてそうするのかがきちんとわかっていれば不安は解消されるはずです。それぞれのオイルに、どんなパワーがあるのかを、まずは確かめてください。
美しい肌を作る美容効果の高い16種類のオイル
それでは、美しい肌を作るために必要な脂肪酸やその他の保湿成分をたっぷり含んだ美容効果の高いオイルをご紹介します。まだまだ広くは知られていないよういでも、実際には、今私たちの住む便利な日本では、ほんとうにいろいろな種類のオイルが手に入るようになっています。ご紹介するオイルは、肌にぬったとき、保湿力が高く、濃厚なぬり心地のものから順番に並べました。見慣れない名前が多くて戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんが、スキンケアのためには、これを全部手に入れなければならないというわけではまったくありませんので、どうかご安心ください。
オリーブ油
皮脂を構成する脂肪酸に近いオレイン酸を多く含むオイル。肌に浸透しやすい天然の柔軟剤。SOD力が高く、良質の石けんの原料として使用されることがあります。肌に潤いを与えます。
ツバキ油
角質層への浸透性が高く、ベタつき感の少ないオイル。SOD力が高く、肌をやわらかくする効果があります。
ヘーゼルナッツ油
オレイン酸、パルミトレイン酸が含まれており、エイジレスな肌をサポートしてくれます。保湿力が高く、浸透性に優れているオイルです。
マカデミアナッツ油
不飽和脂肪酸が多く含まれ、人間の皮脂成分に近い肌に優しいオイルです。
ホホバ種子オイル
人間の皮脂とほぼ同じ構造でできているオイル。角質によく馴染み、肌から水分や栄養素を逃しにくくし、肌荒れを保護し、しなやかな肌を保ちます。
スイートアーモンド油
スイートアーモンド油は、ヨーロッパの伝統的な美容オイルで、アーモンドの実を搾ったオイルです。
アボガド油
オレイン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸が多く、ビタミンAやビタミンD、ビタミンE、アミノ酸も豊富に含み、肌や頭皮へのなじみが早いのが特徴のオイル
馬油
馬油は、馬肉の皮下脂肪を低温で蒸して溶かし、ろ過したものを洗浄して、スキンケア用のオイルにしたもので、古くから傷ややけどの薬として愛用意されてきた油です。
太白(たいはく)ごま油
太白ごま油とは、普段使いできるアンチエイジングオイルです。太白ごま油は、炒りごまを搾った茶色の油ではなく、生のごまをそのまま搾った薄い黄色、または透明に近いごま油です。
パンプキンシード油
パンプキンシード油は、西洋かぼちゃの種から採取され、とびきり美味で、肌のバランスを整えてれるオイルです。
くるみ油(ウォルナッツオイル)
くるみ油(ウォルナッツオイル)は、くるみの実を圧搾して作ったオイルで、原料のくるみの香りを残して丁寧に作られたものは、こくのある芳香と風味を持ち、パンプキンシード油と並ぶ美容グルメオイルです。
ククイナッツ油
ククイナッツ油は、ハワイ州の木「ククイナッツ」の実を搾ったオイルで、紫外線のダメージから肌を守るハワイの美容オイルです。
月見草油
ガンマーリノレン酸を豊富に含み、肌をやさしく守ります。
ローズヒップ油
不飽和脂肪酸を多く含み、肌環境を活性化する働きがあるので、目元口元の年齢サインに有効。肌の損傷を補修する働きもあります。
しそ油(えごま油)
しその種を搾ったものがしそ油、同じシソ科の植物である荏胡麻(えごま)の種を搾ったものがえごま油で、日本、中国伝統の健康オイルです。
亜麻仁油(フラックスシードオイル)
亜麻仁油とは、北米産の健康オイルで、亜麻の実(種)を搾ったオイルです。
あるオイルが「肌に合わない」というときに、それがオイルの種類のせいではなく、「分量が多すぎたため」、ということがとても多いようです。「健康な肌が自然に分泌する皮脂の量」は、体全体で1日に平均1~2グラムと言われています。ということは、顔だけのことを考えたら、補うオイルの分量は、ほんとうに少しでいいことが分かります。美容オイルとして必要なのはたったの1、2滴。多くても2、3滴ほど。「必要十分にして最小限にとどめる」という感じで使うほういが、失敗がありません。
美容オイルを使うときには、まず手のひらに化粧水を少し取り、美容オイルを1、2滴落とします。それから手のひらでさっと混ぜ合わせ、今度はそれを顔全体に塗り伸ばしていきます。美容オイルが、手のひらで化粧水と均一に混ざらなくても、まったくかまいません。手のひらで化粧水と合わせながらつけるようにすれば、肌の表面にしみ込んだ水分を飽和状態に保つことができるというわけなのです。