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酵素で痩せるのはカロリーが減るため
最近、効果がよくわからないと思う健康食品の1つが酵素商品です。植物の酵素が体内で働くとして、「酵素ダイエット」や「ローフード」がブームのようです。
- グリーンスムージーなら生きた酵素が腸に届く
- 酵素ジュースで便秘が解消する
- 酵素パワーのおかげでスリムになった
などとうたわれて広まり、女性たちがこぞって野菜ジュースや酵素食品といわれるものを取り入れようとしています。国内外のセレブや美容系ブロガーの方たちが実践していることも人気の理由のようです。
確かに野菜ジュースには、ビタミン類や食物繊維が含まれています。カロリーも低めなものもあるので、ダイエットや美肌、便秘解消のサポートにはなると思います。ただ、酵素パワーのおかげで痩せるとか、グリーンスムージーで酵素を補うなどの考え方には、どんな根拠があるのか疑問です。
酵素ダイエットで痩せるのは、通常の食事を酵素ジュースに置き換えた場合で、結果として、1日に摂取するカロリーが減るからでしょう。
酵素とは
では、酵素とは何かというと、「生物内で起こる科学的反応を促す触媒として活用されるタンパク質の一種」です。
酵素は体内で作られますが、ひと言で酵素といっても、さまざまです。消化を助けるのは「消化酵素」、唾液に含まれるもの、胃液に含まれるものなどいくつもの種類があります。また、新陳代謝促進や脂肪分解、筋肉を動かすなどの働きを持つのが「代謝酵素」です。
植物の酵素もタンパク質の一種ですから、体内に入れば、肉や魚のタンパク質と同様に、胃や腸で分解され、ペプチドやアミノ酸になってしまいます。野菜ジュースや酵素ドリンクに植物の酵素が含まれていたとしても、そのまま体内で〇〇酵素となって働くことは考えにくいです。
また、酵素を十分働かせるには、材料として5大栄養素の1つであるミネラルの働きも必要になります。そして、食べたものから栄養をしっかり吸収するには、良好な腸内環境が不可欠です。
発酵食品と酵素は違う
代謝のよい体を目指すなら、やはり栄養吸収の要である腸内環境を整えることに注力したほうが近道です。そのためには、発酵食品をはじめ、食物繊維が豊富な野菜や果物をたっぷりとることは良いことです。
でも、酵素をとれば痩せられるとか、酵素が死んでしまうから野菜は生でとらないと意味がないなどという根拠のない情報には振り回されないように、十分気をつけて下さい。
なかには、「生きた酵素をまるごととれる」「生きた酵素が腸に届く」などと宣伝している商品もあるため、酵素は生き物だと思っている人や、酵素と酵母、酵素食品と発酵食品を混同している人も少なくないようです。
ちなみに、発酵食品とは、カビや酵母などの微生物の働きを利用して発酵させた食べもののことを指します。発酵によって、うま味がアップしたり、栄養価が高まったりといった、さまざまなよいことが起こります。
また、発酵食品に含まれる乳酸菌、納豆菌などの善玉菌により、腸内環境のバランスが整うというメリットもあります。その結果、便秘改善につながったりもします。腸活のためにぜひとってほしい食品です。