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ホルモン療法と漢方療法でPMS改善

PMSのホルモン療法

PMS(月経前症候群)のつらさは治療で改善できます。治療の2本柱は、ホルモン療法と漢方療法です。

ホルモン療法では、低用量のエストロゲンとプロゲステロンの合剤(低用量ピル)の服用が効果的です。排卵を止めることで卵巣からのプロゲステロンの分泌が抑えられ、また女性ホルモンの波も小さくなるので、PMSの症状が治まります。

低用量ピルにはいろいろな種類がありますが、ドロスピレノンというタイプのプロゲステロンが入った「ヤーズ」という製剤は、むくみや頭痛、乳房痛などの身体症状だけでなく、イライラや不安などの精神症状をも改善することが認められています。

海外ではPMSやPMDDの治療薬として承認されていますが、日本では月経困難症の治療薬です。PMSは月経困難症を伴うことが多いので、その場合は健康保険を使って治療できます。PMS単独で治療する場合は、自費診療となります。

もちろん、低用量ピルですから避妊効果もあります。PMSのつらい症状に悩んでいる人は、我慢をせず婦人科で相談しましょう。ホルモン療法では、むかつきや不正出血、頭痛、まれに血栓症の副作用が起こることもありますから、医師の指導のもとで正しく使うことが重要です。

PMSの漢方療法

漢方もPMSの強い味方です。よく用いられるのはイライラや不安、月経困難などに効果がある加味逍遥散(かみしょうようさん)。更年期にもよく使われる女性のための代表処方です。

このほか、体力があまりなく、むくみや月経困難がある人には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、比較的体力があって精神不安や月経困難、便秘などのある人には桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、イライラして精神が高ぶる人には抑肝散(よくかんさん)も使われます。

激しい怒りが急にこみ上げるよういなときには甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)をその場でのむと、気持ちが落ち着きます。

これらはPMSだけでなく、更年期症状に対してもよく処方される代表的な漢方薬です。

PMSの市販薬

国内では初めてのPMS向けの市販薬が、2014年に発売されました。西洋ハーブのチェストベリーのエキスを配合した一般医薬品「プレフェミン」(ゼリア新薬工業)です。チェストベリーエキスを含む薬(プレフェミン)を3周期飲み続けると、イライラや怒り、抑うつ気分、頭痛、乳房の張りなどのPMS症状の改善効果があったと報告されています。要指導医薬品なので、購入の際は薬剤師に相談を。

PMSのセルフケア方法

PMSのつらさを軽くするには薬だけでなく、セルルケアもとても重要です。効果的なのは「症状日記」をつけること。どんな症状がいつから表れ、どのくらいつらいか、いつまで続いたかをメモするだけです。

2ヶ月ほどチェックすると自分のPMSのパターンがつかめるようになります。月経が始まる何日くらい前から症状がつらくなるとわかれば、そこに重要な予定をいらないなどの対策も可能となります。「この日あたりに来る」と事前に知っておくだけで、症状が軽くなることもあるそうです。

大豆でPMSの症状を和らげる

PMSの症状で悩んでいる女性に、日頃から積極的に摂ってもらいたいのは大豆製品です。大豆イソフラボンの摂取で、頭痛や乳房のはりなどのPMS症状が改善したとの報告があります。大豆イソフラボンには女性ホルモンと似た作用がり、ホルモンの変動を和らげる働きが期待できます。

魚でPMSの症状を和らげる

魚を多く食べる人ほどPMSの自覚症状が少ないという調査結果もあります。カルシウムやビタミンB6、マグネシウムも精神安定作用がありますから、不足しないよう心がけたいものです。むくみやすい人は塩分を摂りすぎないことも大切です。

スイーツの摂りすぎはPMSを悪化される

月経前は甘いものを食べたくなる人が多いですが、とりすぎは禁物です。甘いものをたくさんとると血糖値が急激に上がり、その後、急降下することになります。このとき、イライラして精神的に不安定になったり、食欲が増したりするため、PMSの症状が悪化しやすいのです。甘いものや間食は控えめにして、食事をきちんととるようにしましょう。