よく噛むと若返る理由
よく噛んで食べることの大切さは、みなさんもよくご存知でしょう。
「口は第一の消化管」ともよく言われています。
口の中でしっかりものを砕き、細かくしてから腸に送ってあげることで、腸の負担は減ることになります。
また、時間をかけて食べられるので、少量で脳の満腹中枢を刺激することができ、食べる量を減らせることも、ご存知のとおりです。
よく噛むと活性酸素が消える
しかし、噛むことのメリットはそれにとどまりません。
まず、「衰え」の最大の原因となる活性酸素を消すことができます。
唾液には、活性酸素の害を抑え、消去する抗酸化作用のある酵素が含まれています。
唾液は噛めば噛むほど増えていきます。
体の抗酸化作用を高めるには、唾液をたくさん出しながら食べることです。
ゆっくりと食べ物を計30噛んでから飲み込むことをおすすめします。
その理由は、噛むことによって活性酸素を消すには約30秒かかるからです。
よく噛むと記憶力がアップする
また、よく噛むことは、記憶力の向上につながります。
一口につき30回噛んでいると、その刺激で脳の前頭前野と海馬が活性化するのです。
前頭前野は脳の中で最も知的で理論的な働きをする部位で、施行計画の立案や学習行為などをつかさどっています。
海馬は、「記憶の司令塔」です。
「物忘れが激しくなる」というのは、海馬が衰えてきている証です。
噛むことは脳の運動になる
衰えを防ぐには、運動が必須です。
一口30回噛むことも、脳の衰えを防ぎ、若返りを図るための脳のエクササイズになるのです。
「脳トレーニング」が流行したことがありました。
さまざまな脳のトレーニング方法が紹介されましたが、一口30回よく噛んで食べることは、最も効果的な脳トレかもしれません。
さらに、よく噛んで食べることは、ファイトケミカルを効率よく摂取することにつながります。
歯で食べ物をよくすり潰すように食べることによって、細胞壁の内側に入っているファイトケミカルを取り出し、腸から吸収しやすくしてあげることもできます。
よく噛むと食べ物本来の味がわかる
私たちはなぜ、「おいしい」と感じるのでしょうか。
食べ物をすこしずつ噛み砕きながら食べている間に、血糖値がゆっくり上がり、エネルギーが脳へ届けられるからです。
よく噛むからこそ、食べ物の本来の味がわかるのです。
ところが最近は、よく噛まずに「おいしい」と感じさせる味の濃い食べ物が増えています。
一口噛んでおいしいと感じるものは、体を老いさせ、太らせ、脳を衰えさせる食べ物であることを覚えておきましょう。