加齢とともに活性酸素に弱くなる

マウスを使った研究によると、ミトコンドリアから活性酸素を過剰に出すマウスは、ある種のガン(リンパ腫)と糖尿病が高頻度に起こるそうです。ところが、活性酸素を除去する抗酸化物質を投与すると、ガンや糖尿病の発生を抑えられたそうです。

ミトコンドリアが酸素を使ってエネルギーを生み出している以上、少々の活性酸素が発生するのは防ぎようがありません。そこで細胞は、活性酸素から身を守るための活性酸素除去物質をもともと持っています。

ところが、加齢とともにミトコンドリアの機能は衰えていきます。機能の落ちたミトコンドリアからは、活性酸素の排出量が増えます。さらに困ったことに、加齢は、細胞が持つ活性酸素除去物質も減らしてしまうのです。これによって人体は老化に向かい、ガンや糖尿病などの生活習慣病が起こってきます。

活性酸素を大量に発生させる現代社会

そうでなくても、現代は活性酸素を生み出しやすい社会です。自然界になかったものが体内に入ってくると、ミトコンドリアは誤作動を起こして、活性酸素を大量に排出してしまうのです。

たとえば、食品添加物や化学薬品、電化製品から発せられる電磁波、水道水の塩素、大気汚染などはみな活性酸素量を増やす原因になります。

過度のストレスや強い紫外線なども、活性酸素をつくり出す一因です。炭水化物のとり過ぎも活性酸素を大きく増やす結果を招きます。肥満の人はほとんどが炭水化物のとり過ぎです。体内に活性酸素や糖化物質がたえず充満している状態になっているので、老化も促進され、腸内細菌も弱りやすくなっています。

ファイトケミカルで活性酸素を除去

現代に生きる私たちが若々しくあり続けるには、50歳を過ぎたら炭水化物を控えることです。同時に、活性酸素を無毒化する抗酸化物質を意識して摂りましょう。

抗酸化物質はその名を「ファイトケミカル」といいます。ファイトケミカルは、植物の持つ「色素」「香り」「辛み」「苦味」の成分に含まれます。

これは植物が紫外線や虫、鳥などの外敵から身を守るために作り出す物質で、私たちの体内に入っても、細胞の酸化を防いだり、防御機能を高める働きがあります。

色が濃く、香りが高く、辛みや苦味などの味わいが深い野菜を毎日食べることが必要です。

ファイトケミカルは、ほとんどの野菜、果物、きのこ類、海藻に含まれますが、太陽をたくさん浴びた露地栽培の野菜ほど豊富です。日頃から、旬や盛りの植物性食品を摂っていれば、若返りに役立ちます。