腸は悪玉菌にとってベストな環境

腸は、もともと悪玉菌にとって有利な環境になっています。

選挙にたとえて説明すると、悪玉菌党には政治地盤が整っているということです。

腸は、37度とほどよい温度で一定に保たれています。

栄養分も水分も適度によくあります。

悪玉菌の多くは、大腸菌やウェルシュ菌などの腐敗菌です。

腸の環境は、温度・栄養・水分という腐敗には絶好の条件がそろってしまっているのです。

外気温が35度を超す猛暑日を考えてみてください。

肉や魚から出た生ゴミを放置しておけば、あっというまに腐り、鼻をつまみたくなるほどの臭いを発するようになります。これと同じく、腐敗菌が一気に増殖できる絶好の環境が腸にはあるのです。

腸内細菌のバランスが健康を決定する

善玉期と悪玉菌の優劣で健康は決定します。

「腸内フローラ」「腸活」などの言葉をよく目にしますが、腸内で善玉菌が優勢か、悪玉菌が優勢か。腸内環境は、ほんのわずかな変動によって決まってしまいます。

腸内細菌のわずかな変動が、人の太りやすさや腸内環境だけでなく、健康そのものも決定づけているのです。

悪玉菌が好む食べ物

悪玉菌の大好物は、油を使った高脂肪食です。

脂身の多い肉、肉と衣をまとった揚げ物、生クリームたっぷりのスイーツ、こってりしたスープのらーめん、フライドポテトやポテトチップス・・・など。

腐敗の条件がそろった環境に、悪玉菌の大好物を放り込んだら、悪玉菌が繁殖を活発化させないはずがありません。

悪玉菌が増えると免疫が低下する

悪玉菌は腸内で優勢になると、硫化水素やアミンなど毒性のある腐敗物質を作り始めます。

こうした毒素は、免疫細胞を傷つけます。

免疫細胞が傷つけられると、病気を防ぐ力が落ち、感染症やガンにかかりやすくなります。

体各部の臓器も傷つけられ、脳卒中や心筋梗塞、動脈硬化、高血圧症など生活習慣病を引き起こす原因にもなります。腸や体全体の老化の原因にもなります。

悪玉菌が増えると老化が進む

腸で悪玉菌が増えると、太りやすくなるだけではなく、さまざまな病気が招き寄せられ、体の老化が進んでしまうのです。

脂肪分の多い食事は、腸を汚します。

汚れた腸は、大腸菌の独壇場です。こうなると、日和見菌は悪玉菌に一気に加勢して、腸内環境はますます悪化していきます。

「腸は悪玉菌が優勢になりやすい条件が整っている。」

このことを肝に銘じ、腸をきれいに保つ努力を日々怠らないことが、死ぬまで太らず健康であり続けるために大事なことなのです。