化粧水、乳液、クリームなどさまざまな基礎化粧品にヒアルロン酸が使われていますが、ヒアルロン酸は、表皮の成分ではなく、真皮の成分です。また、ヒアルロン酸は、皮膚に限らず、いろいろな組織にも含まれている成分です。
真皮の線維成分のすき間は、基質とよばれる粘性の液体が埋めています。基質の主成分はグリコサミノグリカンとよばれる多糖類で、いくつかの種類がありますが、そのうちのひとつがヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸は、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸という2種類の糖が交互につながってできています。非常に巨大な分子で、このユニットが5000個ぐらい結合しています。つまり分子量が200万ぐらいになります。
1つの分子の中に親水性のグループを多数持っているので、大量の水を抱え込むことができます。たとえば、ヒアルロン酸1%の水溶液を作ると、逆さにしてゆっくりと流れるぐらいトロみのある液となることをみても保水力の大きいことがわかります。
保水力の高さと生体の成分で体に馴染みが良いという点から、保湿剤として注目されました。
当初、ヒアルロン酸はニワトリのトサカから取り出されていました。しかし、大量に作ることができず、、価格も高かったので、実用的ではありませんでした。
ところが、ヒアルロン酸を、ある種の微生物が生産することがわかり、バイオテクノロジーの力で低コストで作られるようになりました。