精油とは、植物から抽出した100%天然のもので、香水やアロマテラピーなどに不可欠なものです。精油は植物からわずかに分泌される有機化合物の集まりで、植物の中にある特殊な分泌腺と呼ばれるところで合成され、その近くの小さな袋(油胞)の中に蓄えられています。その油胞は、植物によって葉の表面近くだったり、果皮の表面近くだったりとさまざまで、それが精油の抽出方法と深く関係してきます。
植物から抽出できる精油はほんのわずかです。たとえば1キロのバラの精油を作るには花ビラが3トンも必要です。花から抽出される精油が高価なのは、そういった理由からです。
精油は植物から抽出した100%天然のものですが、だからと言って誰にでも安全とは言えません。体調や体質によっては使用できないものもあります。妊娠中や高血圧の人、赤ちゃんやてんかんの人の精油の使用は特に注意が必要です。精油をスキンケアに使用する場合は、原液を直接肌につけず必ず希釈して使います。
精油の製造方法は、原料になる植物成分の特徴によって違います。
現在使われている製造方法は次の3種類です。
水蒸気蒸留法
水蒸気で原料の植物を蒸して芳香成分を抽出する方法です。
圧搾法
柑橘類の果実の皮を搾って抽出する方法です。
溶剤抽出法
植物の芳香成分を直接溶かし出して抽出する方法です。溶剤抽出法で作られたものは「アブソリュート」と呼びます。